柳 月路(やなぎ つきじ)氏
―はじめまして、今日はお忙しい中、お話を聞かせていただきありがとうございます。
柳:こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。
―まずは柳さんが悪魔であることを知ったのはいつですか?
柳:僕が悪魔であることを知ったのは人間と出会ったときです。人間と触れ合うことで、自分が異質な存在であることを知りました。
―では、柳さんは普段どのような生活をしているんですか?
柳:特別なことは何もしていませんよ。仕事をしたり、食事をしたり、友達と遊んだりと、普通の人間と同じように過ごしています。
―そうなんですね。では、逆にどこか人間と違うところはあるのでしょうか? 外見も普通の人間のように見えますが?
柳:黒い羽がありますね。見ます?
―はい、お願いします。
柳:どうぞ。
―わ、凄い、本物ですね!
柳:凄いでしょ(笑)? 使い道はないのに週に一度ぐらいたまにこうやって外に出さないと痛くなってくるんですよ。
―お仕事は何をされているんですか?
柳:ミュージシャンをやっています。
―それは素敵ですね。どのようなジャンルの音楽をやっているんですか?
柳:カントリーです。
―それは意外ですね。
柳:みんなそう言います(笑)悪魔ならメタルだろうって。全然そんなことないのに変なイメージを押しつけられても困りますよ。ダークで重厚な世界よりも僕はシンプルにギターとハーモニーで明るく楽しく美しく、そしてどこか叙情的な世界を描き出していきたい。歌詞もなるべく日常的なありふれたことを、「それこそが大切なものなんだよ」というメッセージを込めて作っています。
―それは素晴らしいですね。もしかしたら人間よりも「人間愛」があるのかもしれませんね。
柳:それはあるかもしれませんね。猫好きの人たちはきっと猫たち自身よりも猫という存在を愛しているでしょう? そういうものなのかもしれません。
―猫という話題がでてきましたが、柳さんは人間以外にも好きな動物がいたりしませんか?
柳:あ、それこそ猫ですね! 猫大好きです! うちのマンションはペット可なので黒猫を一匹飼っているんですよ。最近ではもう僕のSNSでは欠かせないキャラクターになっていて、普段は部屋から出さないように飼っていますけど、ライブのときには会場に連れて行くなんてこともよくあります。音楽仲間たちもファンもみんな可愛がってくれていて、凄い人気者なんです。
―その黒猫ちゃんの名前はなんといいますか?
柳:「アズラエル」と言います。単純に響きが良くて覚えやすいというだけではなく、死の天使の名前です。
―それにしても今の時代は音楽一本で食べていくのは大変じゃないですか? ペットも飼っているとなると経済的にも大変だと思いますが、他にお仕事などはされていないんですか?
柳:あぁ、それはもう彼女を風俗で働かせていますから大丈夫ですね。稼いだ金は全部僕に渡すように言ってあるんで。
―あ、やっぱり悪魔なんですね。
柳:とんでもないです(笑)
―柳さん、貴重なお話をありがとうございました。
柳:こちらこそ、ありがとうございました。
※このインタビューはフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。