滝井 竜史(たきい たつふみ)氏
―こんにちは、滝井さん。今日はよろしくお願いします。何やら画期的なライフハックを編み出したとうかがったのですが?
滝井:はい、そうなんです。私は自分のバッグに自身の尿や体液を詰めた瓶やビニール袋などを入れたまま、他人にわざと置き引きをさせるという毎日の生活がとっても豊かになるライフハック術を編み出しました。
―え、何を言っているんですか?
滝井:いえ、だから自身の尿や体液を他人に見せつけて興奮したい欲求って人間誰しもあると思うんですけど、それを満たすためには他人に置き引きをさせればいいと気付いたんです。
―すいません、理解が追いつきません。少なくとも私にはそのような欲求はありません。
滝井:そうなんですか、珍しいですね。まぁ、とにかく言っている意味はわかりますよね? 100円ショップなどで購入した安物の鞄にこちらも安物の財布をはみ出すように入れておき、フードコートや大学の食堂に置いておくと高確率で盗んでもらえるんです。それを遠くから眺めて、僕の鞄を盗んだ人が中身を見たときにどんな反応をするだろうと思うと興奮してたまらないんです。
―なるほど……それは犯罪行為ではないのでしょうか?
滝井:確かに犯罪を誘発しているかもしれませんが、立場上私は被害者ですから、何も問題はないものと自負しています。しかも私は泥棒の姿を遠くから見ている際、スマホの動画で撮影をするんです。もちろんそれはオカズになるわけですが、1日経ったらそれを証拠に警察へ通報するようにしています。自身の欲望を満たしつつ世の中から泥棒を減らす正義のライフハックですよ。褒められることはあっても批難される筋合いはありません。
―毒を持って毒を制すというやつなんでしょうか……盗難の通報をした際に警察官が中身を確かめますよね? 大丈夫なんですか?
滝井:はい、別に大丈夫ですよ。ただ、流石にこの間は「また君か……」とイヤな目で見られました。その侮蔑の目にあま勃起しました。
―いや、ちょっとそれ疑われてますよ。そのうち怒られますからもうやめた方がいいですよ。
滝井:そうですか……いいアイデアだと思ったんですけどね。仕方ない、また何か考えてみますよ。
―ちなみに、なぜそのようなことをするようになったのですか?
滝井:きっかけは中学2年生の頃に祖母の形見のお守りが入った財布を置き引きされたことですね。その事件で捕まった犯人がとても美しい大人の女性で、その顔を見たときになんか自分の中で盗まれることと性衝動のシナプスが繋がってしまったみたいで、盗まれることに興奮するようになってしまったんです。
―なるほど、悲しい過去があったんですね。でも、本当にやめた方が良いと思います。
滝井:はい、そうします。確かにちょっとヤバい感じはしていたんですよね。このライフハックを始めて見ると、やっぱりメインターゲットに想定していた若くて綺麗な女性が置き引きしてくれるのってなかなかなくて、それよりは高齢のおじいちゃんの方がナチュラルに僕の鞄を盗んでくれるんですよ。で、それに興奮するようになってしまって、もう最近はおじいちゃんの方がいいんじゃないかって思うようになっていて。
―お、そっちに目覚めたのなら僕の行きつけのお店をご紹介しますよ! エッチなおじいちゃんがいっぱい在籍しているお店があるんです!
滝井:え、本当ですか? やった、ありがとうございます!
―それではインタビューはこのぐらいにして、あとは二人で深い話をしましょうってことで(笑)ありがとうございました。
滝井:了解です、ありがとうこざいました(笑)
※このインタビューはフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。