ラーメン業界に革命を起こす「元祖厚底ラーメン」批判の声にも逆ギレ上等! 肝っ玉女店主が語る仰天の経営方針とは!?

上谷地 陽菜(かみやち ひな)

―上谷地さん、今回インタビューを受けていただきありがとうございます。まず、貴店『ひなちゃんラーメン』の評価についてお聞きしたいのですが、最近ネット上で「ひなちゃんラーメンのラーメンは量が少ない割に高すぎる」、「詐欺だ」、「客を舐めてる」等の批判があります。このような評価についてはいかがお考えですか?

上谷地:アンチの声なんて正直どうでもいいですんけど、しいて言うなら「何言ってんだ?」って感じですかね。だって値段が高いなんて言ったって、ウチのラーメンはたったの1,000円ですよ? ホリエモンさんなんて1杯10,000円のラーメンを出してるんですから、私の店のどこが高いというのでしょうか?

―量があまりにも少ないのに1,000円は高いと言われていますね。

上谷地:貧乏人ほどブタみたいにガツガツ食べたがるんでしょうけど、ウチは若い女性がメインターゲットなんで。店に来たこともない、お金を払うこともないアンチのことなんてどうでもいいです。

―しかし、私も先ほどいただきましたが非常に物足りなかったです。これはやはり、少しやり過ぎではないでしょうか?

上谷地:やり過ぎ? これがウチの売りなんですよ? メニューにも「元祖厚底ラーメン」って書いてあるじゃないですか? これがウチのラーメンなんです。これに文句を言ってくるなんて、看板に豚骨って書いてあるのに醤油じゃないって怒るぐらいワケが分からないことですよ。

―お客さんをバカにしているのはアナタではないんですか?

上谷地:失礼ですね! 私たちのラーメンを楽しんでくれているお客様も沢山いるんですよ!?

―しかし、お客様によっては詐欺のように映るかもしれません。

上谷地:舐めていると言われようが詐欺だと言われようが、それがうちのやり方なんです! 反省する必要はありません!

―でも、このような批判を受けているのは事実です。お客様からの意見を真摯に受け止めて改善を図ることは考えられないのでしょうか?

上谷地:改善!? そんなことを考えたことはありません! 私たちのラーメンはお客様にとって満足していただけるものだと信じています! それ以上のことを求めるなら他の店に行ってください! 気分が悪いです!

上谷地さんはヒステリックに怒鳴ると、長い煙草に火を付けた。

上谷地:「はぁ……」

苛立ちを隠そうともせず、深い溜め息を紫の煙に変えて天を仰いでいた。

上谷地:「(ふーんふん、ふーんふんふーん……)」

気分を変えようとでもしているのか、険しい顔のまま小さく鼻歌を歌っていた。

私はそのメロディに覚えがあったので、尋ねて見た。

―それ、bjork の「All Is Full OF Love」ですよね?

上谷地:……あれ、ごめん聞こえてた(笑)?

―いえ、私も好きな歌なので。

上谷地:そう……You just ain’t receiving……All is full of love……。

彼女の口ずさんだフレーズが、私の心を癒やしていく。

この曲を好きな人に悪い人なんていない。

どうやら私はネット上の批判を鵜呑みにして歪んだ先入観のまま上谷地さんのことを見てしまっていたようだ。

世界は愛に包まれているのに、私としたことがなんとも情けない話だ。

―インタビューを続けてもよろしいでしょうか?

上谷地さんは少し微笑むと、無言で頷いてくれた。

―思えば、厚底ラーメンとは画期的なアイデアだと思いました。食材のロスは減り、客の回転率は上がり、利益も上がる……ラーメン店としては理想的なビジネスモデルですよね。

上谷地:分かってんじゃん。調理も秒で終わるから人件費もいらないしね。

―素晴らしいことです。それでは最後に、この記事を読んでいる方々へメッセージをお願いします。

上谷地:はい。皆さん「ひなちゃんラーメン」の元祖厚底ラーメンを是非食べに来てください。ネットではいろいろ書かれていますが、オシャレで凄く雰囲気が良いんですよ。

※このインタビューはフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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