株式会社Ato∞(Infinity)
代表取締役社長 木村 涼太(きむら りょうた)氏(右)
代表取締役副社長 久保 翼(くぼ つばさ)氏(左)
―木村さん、久保さん、お忙しい中お話を聞かせていただきありがとうございます。まずは全ての責任をUverworldに責任転嫁するシステムを構築したことについてお聞かせください。どのようなアイデアでそのプログラムを組まれたのでしょうか?
木村:インタビューのお時間をいただきありがとうございます。このプログラムのアイデアは2017年2月1日に発売されたUVERworldの30枚目のシングル『一滴の影響』(いってきのえいきょう)がもとになっています。
歌詞の中で「あれは僕のせいにしな、それも僕のせいにしてよ」というフレーズがあり、UVERworldのボーカル「TAKUYA∞」は全ての責任を請け負っても構わないと宣言してくれていました。
私はなんとか彼のその熱意に応えたいと思い、全ての責任が生じた瞬間に自動的にTAKUYA∞に責任転嫁出来るシステムを構築したいと思ったのです。
しかし、あの曲が発売された当時のテクノロジーでは世界中のあらゆることがらの全責任を「TAKUYA∞」になすりつけるためにデータ収集を行うのには膨大な費用と時間が掛かってしまうことは明らかでしたし、まだ私自身も高校生でしたので、夢のままで胸の内にしまっていたんです。
でも、大学に入り久保に出会ったことで、その夢を実現できると確信したんです。
久保:木村の壮大なアイデアを実現するために私は自然言語処理技術とプログラミングの知識を結集しました。具体的には世界中のあらゆる場所で責任が生じた瞬間にそれを「TAKUYA∞」になすりつけることができるように、位置情報などから瞬時に責任を仮想サーバ上に汲み上げ、自然言語で記述した情報をプログラムで解析して自動的にシステムに反映するようにしました。
―なるほど、自然言語処理技術を用いたプログラムということですね。それにしても21歳の久保さんがそのような高度な技術を持っているとは驚きです。どのようにしてその技術を身につけたのでしょうか?
久保:私は小学生の頃からプログラミングに興味を持っていて中学生の頃には自分でWebサイトを作って遊んでいました。大学では情報科学を専攻しプログラミングの理解を深め、その後木村と出会い彼のアイデアを実現するために自然言語処理技術を独学で学びました。
―素晴らしいですね。若い世代がこうした高度な技術を身につけているということは日本の未来にとって非常に希望が持てることだと思います。では、TAKUYA∞に自動的に責任を転嫁することでビジネスにどのような影響が与えられるとお考えですか。
木村:はい、ビジネスに与える影響についてお話しします。まず、このシステムを導入した企業は訴訟のリスクがなくなります。何もかもがTAKUYA∞のせいになりますのであらゆる分野においてリスクを考えずに投資をしていくことが可能となります。コンプライアンスを遵守する必要もなくなり、戦後間もなくの無法地帯のような会社のあり方にダウングレードが可能です。他者の顔色ばかりうかがってきた結果日本の企業の多くはビジネスの本筋とは関係のない余計なことに膨大なコストを支払っているのが現状ですが、これも全てTAKUYA∞のせいにすることで削減できます。
久保:自動でTAKUYA∞へと責任転嫁することにより、責任の所在を考える時間が削減されるというのも大きなメリットです。あれこれ考える時間を与えてやることで仕事のない総務に椅子をあげている多くの企業にとって、一律TAKUYA∞のせいにできることは不要な人員の削減にもつながります。
―なるほど、そのような効果が期待されるということですね。このプログラムの開発にあたってどのような課題があったのでしょうか?
木村:まず、自然言語処理技術をプログラムに組み込むこと自体が非常に難しかったです。自然言語処理技術は言語のニュアンスや文脈を理解することが求められます。そのため、機械学習や人工知能を用いてそのような解析を行う必要があります。ここのベースを作るまでが最難関で、自然言語処理技術についての専門的な知識と技術を身につけることには苦心しました。
久保:また、プログラムが自然言語処理技術によって解析することができるようにするためには多くの事例を集め学習させる必要がありました。そのため多くの時間と労力が必要でした。さらに、本質的なところでTAKUYA∞がいくら男気を見せてくれていたとしても、それに甘えて本当に全責任を押しつけても良いのかと道義的にも問題があるような気がしました。しかし、TAKUYA∞の「∞」に着目したところ、全ての処理が正常に行えることを発見し、今では国際的な諸問題も私の中では全てTAKUYA∞のせいになっています。
―しかし、あの素晴らしい曲の中でTAKUYA∞は別に責任転嫁を受け入れるとかそういったことを伝えたいのではなく、あくまで自分のせいにばかりして一歩足を踏み出せないでいる人たちへ向けて、全ての責任は自分が被るから君は君らしく生きる一歩を踏み出して欲しいと、励まし勇気づけるために「僕のせいにして」と歌っているのだと思うのですが。
木村:まぁそれは人それぞれの解釈だと思います。
久保:TAKUYA∞が好きで、TAKUYA∞の気持ちに応えようと思って一生懸命このシステムを作ったのに、それをそんな言い方をされると……なんていうか、根本から私の解釈が間違っていたみたいで、今更そんなことを言われてもどうしたらいいのか……。
木村:え、久保くん泣いている?
久保:……UVERworldの音楽は私の命なんです。私の青春はUVERだったんです。それなのに、私の作ったシステムがTAKUYA∞の意図をしっかりと汲み取れたものではなかったとしたら……僕はどうしたらいいんでしょうか。
木村:大丈夫だよ。
―ちなみに、久保さんはUVERworldのライブに行く機会があったら、どの曲が聴きたいですか?
久保:全部です。でもまぁ、しいて一曲あげるとしたら最新の「ピグマリオン」でしょうか。あの曲は私にとって特別な思い出があるんです。
―久保さんの情熱的なエピソードに思わぬ展開がありましたね。次に今後の展望についてお伺いしたいと思います。木村さんはどのような展望があるのでしょうか?
木村:はい、現在はこのシステムを日本中の企業に導入してもらう方向で動いています。出来る限り安価にこのシステムを導入して貰うために、サブスクリプションプランの導入なども検討しています。
―それは非常に興味深いですね。久保さんの今後の展望はいかがですか?
久保:私は今後も自然言語処理技術を用いたプログラムの開発に力を注いでいきたいと考えています。その中でも、特に今回のような自然言語処理技術を活用したビジネス支援ツールの開発に注力していきたいと考えています。
―具体的にどのようなツールを開発したいと考えているのでしょうか?
久保:例えばビジネスメールの自動返信システムや自動で報告書を作成するシステムなどを開発したいと考えています。そのようなツールを活用することでビジネスマンの方々の業務負担を軽減することができると考えています。
―それでは最後に、若い起業家としてのメッセージをお願いします。
木村:私たちは常に新しいアイデアやテクノロジーにチャレンジすることが重要だと思います。また、失敗を恐れず挑戦し続けることが成功への道を切り開くことになると信じています。若い世代の起業家たちにも自分たちのアイデアや能力に自信を持って積極的に挑戦してほしいと思います。
久保:UVERworld最高!
―素晴らしいメッセージですね。本日はありがとうございました。非常に興味深いお話を伺うことができました。
木村:こちらこそ、ありがとうございました。
※このインタビューはフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。