硫化水素の理科実験で中毒症状…生徒が学校訴えた裁判 学校側に157万円の賠償命令 MBS NEWS

 2013年に京都市の中学校で硫化水素を発生させる理科の実験の際に吐き気やふらつきなどの中毒症状を患い、さらに精神的にも苦痛を受けたなどとして、当時学校に通っていた生徒が学校側に対して約370万円の損害賠償を求めた裁判で、大阪高裁は学校側に約157万円の賠償を命じました。

 判決によりますと、京都市伏見区の京都教育大附属桃山中学校に通っていた、当時中学2年の男子生徒は、硫化鉄と塩酸を混ぜて硫化水素を発生させる理科の実験中に気分が悪くなり、吐き気やふらつきなどの症状を訴えて病院に運ばれました。

 病院の医師は男子生徒を「硫化水素中毒」と診断し、男子生徒は30日以上入院したほか、硫化水素の強いガス臭がきっかけでショックを受けたことで、関節の痛みや握力の低下を訴えていたということです。

 男子生徒は「実験を担当した教諭が適正な濃度を超える硫化水素を発生させるなど、適切な実験方法を取らなかったことで被害を受けた」として、学校を運営する京都教育大学に対して治療費や慰謝料など計約370万円の損害賠償を求めて、2017年に京都地裁に訴えを起こしました。

 1審で学校側は「実験をきっかけとして気分は悪くなったが硫化水素中毒にはかかっていない」などと主張し、京都地裁は男子生徒側の訴えを退けたため、男子生徒側が控訴していました。

 そして今年4月28日の判決で大阪高裁は、実験で使用した塩酸について、安全とされる濃度の約3倍~7倍のものが用いられたと認め、「教諭が指導書などを調べもせずに塩酸の濃度を決めたのは場当たり的に過ぎる」と指摘。「実験室の換気扇が稼働していたとしても、なお男子生徒が硫化水素中毒にかかる可能性は否定されず、教諭は生徒に危険の及ぶことのないような実験方法を採るべき義務を怠った」としました。

 そして、中毒症状だけでなく、その後の関節の痛みなどについても、「硫化水素の強いガス臭をかいだ苦痛体験が心理外傷として残り、友人と共有することで繰り返し、無意識の苦痛体験が神経とリンクして多彩な症状を示した」と因果関係を認め、京都教育大学側に約157万円の賠償を命じました。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20220428/GE00043605.shtml

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