07 社会通念の悪用についての○×問題

 問題文を読み、これらの態度、行動が社会通念に則った正当なものであれば○を、悪用であれば×を付け、その理由を述べなさい。

【問題】
 アイツの態度が気に食わないので、反省を促すためにみんなで無視をした。
【答え】×
 イジメは誰かを傷つけることで自身が抱えているストレスや暴力衝動を吐き出したい、偉くて強い素敵な自分に会いたくて行われる。
 しかし、それを自覚して自らの卑怯さや残酷さ、幼さや陰険さを直視して惨めな自分に会うのはイヤだから、「反省を促すために」等とそれらしい言い訳を捏造し、秩序を守る正義の仮面を被っている。
 悪は罰せられても仕方がないという一般的な社会通念を悪用した、悪行そのものである。
 満たされない欲求を抱えた人間がただ快楽を貪りたくて行っていることにも関わらず、可哀想なことに被害者は自分に何か落ち度があるのではないかと、酷い仕打ちを受けるのは自分に責任があるのではないかと感じて、悩み苦しんでしまう。
 そんなことはない。
 加害者の自己愛のために行われることなので、その人が被害を受けなければ、別の人がターゲットになっていただけだ。
 あんなことを言われたこと、あんなことをされたこと、それは全て加害者が素敵な自分に会いたくてしたことであり、何も被害者のせいではなく、何の落ち度もない。

【問題】
 自部署の売上を増やすため、部下たちに向かってもっと仕事に対して真剣になれ、やる気になれ、成果をあげろと、連日大声で怒鳴りつけて奮起を促した。
【答え】×
 恐ろしく、威圧的に接することで成績を上げようという作戦。一部、そういったやり方で本当に成績を上げている知将も実在するせいでその幻想が悪用されてしまっているが、大抵の凡人はただ大声をあげてストレスを発散し、強さを誇示している自分に会いたいと思ってただ闇雲に怒鳴っているだけのパワハラクソ野郎である。
 本当に部下の成績を上げるためならば連日叱責するなどという無意味な時間を重ねたりせず、具体的に様々な手段を試すべきであるが、怒鳴りたいから怒鳴っているので同じことを繰り返すのである。
 仕事上の指示を聞いてもらっているうちに他の欲求も満たしてもらいたくなり、優しい部下たちに甘えているのである。

【問題】
 嫌がっている感じにも見えなかったし、楽しんでいるようにも誘っているようにも見えたので、部下にエロい言葉を投げ掛けたり、身体に触ることを繰り返したり、仕事帰りにホテルに連れ込もうとした。
【答え】×
 先輩や上司など、目上の人間は敬うべきだという社会通念を悪用したセクハラである。
 退屈な日々の中で卑猥な言葉を投げ掛けてそのリアクションを少年のように楽しんでいる、性的な興奮を感じている、やってはいけないことをしている素敵な自分に会いたいという欲求がまずあり、それに沿って脳が都合のいい解釈を作話する。
 嫌な顔をされていても、それに気付いてしまえば出来なくなるので、見えないのである。
 これもパワハラと同様、優しい部下に甘えているだけである。

【問題】
 自分たちのような老人のためにある優先席に若い女性が座っている姿を見て、若い世代がこんなことじゃ情けないと、世の中のために、彼女のために、叱って席を立たせた。
【答え】×
 優先席は別に老人のためにあるものではないが、老人を優先して差し上げましょうというモラルを悪用し、都合の良い解釈をする頭の腐ったのがいる。
 世の中のためや彼女のためなどと、あたかも思いやりに基づいた行動のように言っているが、その実、他人と目を合わせている、会話をしている、コミュニケーションを取っている素敵な自分に会いたくて絡んでいるだけである。
 だから惨めな自分に会わされそうな強面の男性には決して挑まず、自分より弱そうな女性を標的にする。
 女性の側からすれば見たくもない、話をしたくもない相手から突然絡んでこられて本当に迷惑な話だが、攻撃してくる彼らは構って欲しくてしょうがないから、嬉々として目の前に立ちふさがり、怒鳴りつけてくるのである。

【問題】
 泣いている子供を叱っている若い母親を見て、子育てを終えた私たちの世代が伝えてあげないといけないと思い、世の中のために、彼女のために、「そんなに怒らなくてもいいじゃない」とアドバイスしてあげた。
【答え】×
 これも目上の人間は敬うべきであるという社会通念を悪用したものだが、結局のところ、これもただ自らのコミュニケーション欲求を貪ろうとして絡んでいるだけである。
 結局、この手の人間たちは無理にでもコミュニケーションの機会を作らなければならないほど寂しくて暇なのであり、それを解消するため、他人に喋りかけてもいい適当な理由を脳が作話するのである。