01 愛は自分の中だけに生じるもの

01 愛は自分の中だけに生じるもの

 最初に、愛はどこから生じるのだろうか。

 たとえば大切なペットの愛らしい仕草を目の当たりにしたとき。

 胸の奥にジワーッとあたたかい感覚が広がり、思わず「愛してる!」と叫びたくなる。

 あの衝動は、一体どこから生じているのだろうか。

 当然、自分自身の心の中からだよね。

 勘違いしてはいけないのが、それはペットが生み出したものではないということ。

 その子はあくまで、トリガーでしかない。

 きっかけは作ってくれたものの、その子の仕草によって自身の中に愛が生じたわけではない。

 だって動物嫌いな人だったら、どんなに可愛いペットを見ても愛しさが込み上げてくることはないでしょう。

 愛は自分にしか生み出せない。

 全く好みのタイプではない赤の他人から「愛してます!」と何万回言われようとも、どんな贈り物をされようとも、自分の心が動かなければ愛が生まれることはない。

 海に愛されているとか、山に愛されているとか、そういった愛も全部そう。

 奇跡的なことが起きて神に愛されていると感じるときだって、人によってはただの偶然にしか思えないし、感性が死んでいる人には何も感じ取れない。

 愛は自分の中だけに生じるもの。

「頑張れ」と言われただけであっても、そこに愛を感じられる人もいれば、プレッシャーに感じて逆恨みする人もいるように、愛は自身の感受性に左右されるものであり、自分以外の他者が意図的にこれを生じさせることはできないんだ。

 当たり前のことをただ述べているだけのようだけど、僕たちは直ぐに被害者に成りたがるところがあるからね。

 こんなことでもしっかりと意識し、理解しておかないと、「他者によって自分自身が変化させられた」と考えたがるんだ。

「私のハートを盗んだあの人」とか言うでしょ? 全然、盗まれていないからね。

 あのドキドキと胸が高鳴り、緊張して、切なくなってしまう異常事態も、PEAというホルモンの影響によって引き起こされる現象であり、無意識にそんな体調の変化を引き起こしているのも自分自身だからね。

 愛は自分の中だけに生じるものであり、他人がどうこうできるものではない。

 そういうものなんだ。