09「目に見えない尊い方々を敬おう」

 君の生まれたこの国、日本は万葉集にも『そらみつ大和の国は皇神の 厳しき国 言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ国と 語り継ぎ 言ひ継かひけり』という一節があるように、古来より自然や物や言葉など、森羅万象のありとあらゆるものに神や霊が宿る不思議な国だといわれてきた。
 こんなにも面白い国に生まれたのだから、君も神様、仏様等々、目には見えないものをガッツリと敬ってしまおう。
 カルマと同様にこれらも目に見えず、証明することもできないものだけど、パパは信じることを強くオススメする。
 なぜならその方が、幸せな人生をおくれると思うからだ。
 ちなみに、パパが信じる神様や仏様は御札に何万円を払えとかお祓(はら)いに何万円を包めとか、勧誘して信徒を増やせとかいってこない。
 詐欺師に餌をあげるためではなく、自分の幸せのために信じるのだから、「お金を払えば救ってやる」とかいってくる輩には絶対に引っ掛からないようにしてね。

欲深さを抑えられる

 目に見えない尊い方々を敬っていると、人間は欲深さを抑えることができる。
「前世も来世もある」のお話の中でもお伝えしたことだけど、僕ら人間というのは本当に、本当に欲深い生き物だからね。誰からの目もなく野放しにしていたらやりたい放題になってしまう。
 2019年6月、特殊詐欺に遭った老人に対応していた京都府警の巡査が「こちらでお金を預かっておく」などといってその老人から一千万円以上のお金をだまし取る事件があった。
 警察でもこんなことをしちゃうぐらいだもの、自分の目で自分を監視しているだけではふとした瞬間に現れる悪魔の囁きに抗うことは難しい。
 ちなみに、パパはこんなこと絶対にやらないよ。
 絶対にバレない、バレても揉み消せると確信が持てていても決してやらない。
 かっこつけているわけでも善人ぶっているわけでもなく、誰に捕まるとかバレるとかじゃなく、当然悪いカルマを積むのが恐いし、目に見えない尊い方々の目も恐いからね。
『いつも見守ってくださっている神様、仏様たちに情けない姿を見せるのは申し訳ない』
 そんなふうに思えればこそ、二重ロックで欲深さを抑えることができるんだ。
 他人の目がないと自分を律することが難しい僕たちだけど、誰かに朝から晩まで監視してもらうことなんてできないからね。
 目に見えない尊い方々を敬って、それに恥じぬよう生きようと思うことは、コストゼロで自分を監視できる非常にお得なものなんだ。
 実際、誰が見ていなくたって必ず自分は自分のしたことを見てしまう。
 恥ずかしい自分を、自分に見せちゃダメだ。
 パパは全くお金がない頃に、拾った一万円を警察に届けたことがある。
 くだらないことのようだけど、結構自分の中では誇らしい思い出として残っているよ。

感謝ができる

 パパぐらい目に見えない尊い方々を敬っていると、もうなんでもかんでもちょっとでも幸福感を感じられたら「神様、仏様ありがとうございます!」って心の中で叫ぶことができる。
 満員電車の中で座れたとき、面白い動画を見たとき、ママの作ってくれるご飯を食べたとき、どんなことにでも勝手に目に見えない尊い方々のサポートがあったものと思って感謝している。
 これらをただの偶然と感じてしまったり、当然の結果だと思っていたら全然うれしくないことだけど、感謝できれば幸せを感じることができる。
 容易に想像できるよね。
 満員電車の中で座れても、ため息をついてダルそうに『もっと早く降りろよ』とか内心毒づいてそうな人と『神よ!』ってな具合に喜びを噛みしめた顔をしている人。
 前者より後者の方が危ない人のようだけど、幸せだよね。
 また、日常生活の中で思わず感謝が湧いてくるときってあるよね。
 これまでにない感動をくれる芸術作品に出会ったとき、スポーツの試合で奇跡のような展開を見たとき――そんなときには『ありがとう、ありがとう』と心から感謝の声が響いてくる。
 僕らはなんでもかんでも無意識に損得勘定をしている生き物だから、想像を遙かに上回る気持ち良さをもらうと「もらい過ぎた」と感じて、自然と感謝の気持ちが湧いてくる。
 目に見えない尊い方々に感謝するということは、コストゼロでこの幸福感を群発させることに他ならない。
「ただの幸せ」が「ありがたい幸せ」に変わり、プラスアルファの喜びが何かにつけて降り注ぐようになる。
 神の山といわれる鹿児島の高千穂(たかちほ)峰に登ったとき、パパは幸せの絶頂のような気分だったよ。
『ありがとうございます! ありがとうございます!』って天に向かって思いまくっていたけど、家族旅行で行きたくもないのに登らされた子供だったら、もうなんの感動もなく苦痛でしかなかっただろうね。
 この世界は考え方次第で何もかもが変わっていく。
 目に見えない尊い方々を敬って自分を律しつつ、あらゆることに感謝してハッピーに生きよう。