06「怒りへの対処方法」

 ちょっと不愉快なんてレベルじゃない、相当に不愉快な思いをして激しく怒ってしまったときには、まず逃げ出そう。
 怒りに対する最善の対処方法は逃げることだ。
 すぐにでも発散させたい、傷つけ返したいと思うものだけど、感情も無常だからね。
 今にも爆発しそうなそれも放っておけば必ず落ち着いてくるものだから、まずはグッとこらえて脱兎(だっと)のごとく逃げ出そう。
 わざとこちらを怒らせようとして絡んでくる人もいるけど、そんなときこそ逃げなきゃ損だよ。
 向こうはこちらが怒ったり傷ついたりするところが見たくて、気持ち良さを求めてやってきているのだから、思い通りになんてさせちゃいけない。
 また、大きな声で叫び合うことを目的に絡んでくる人もいるけど、それは大きな声を出してストレス発散をしたい人たちだ。
 そんな人たちには筆談を申し込んでみよう。絶対に乗ってこないから。
 向こうのルールに律儀に合わせてあげなくていい。
 とにかく怒りに飲まれないよう、逃げ出そう!

物理的にも離れちゃう

 可能であれば、「今冷静じゃないからまたあとで!」とかなんとかいって、その場を物理的にも離れてしまおう。
 別の場所に移動してネットを見たり、ゲームをしたり、身体を動かしたり、とにかく何か関係のないことをやって時間を稼ぎ、感情の波が落ち着いてくるのを待つんだ。
 考えたくなくても何度も頭に浮かんでくると思うけど、それでも徹底的に無視を決め込み、怒りから逃げ続けること。
 怒った状態で話し合ったところでまともな議論などできるわけがないし、お互いの関係性を一瞬で破壊してしまうことにもなるからね。
 恋人と口論になったとき、『本当はずっと前からいいたかったけど、実はあのときこう思っていたんだよ!』、『今までどれだけつらかったか分かってる!?』とか、その場の問題とは関係のない過去の話を持ち出しても相手をいい負かそうとする人がいるけど、バッチリ失望されているからね。
 後悔してもあとの祭り。
 結果、あんなにラブラブだったのにもう連絡がつかなくなってしまったとか、そんな話をいっぱい聞いてきた。
 その場で勝っても虚しいだけで、むしろマイナスにしかならないのに、怒りに飲まれているときにはそれが分からないんだ。
 だからね、怒ってしまったときには、その場で決着をつけようとしないこと。
 もうこの人とは絶交だとか思ったりしても、すぐその場で口に出したりしないで、一、二週間は時間を置いてから結論を出そう。
 すぐにいわなきゃ、解決しなきゃ気持ちがおさまらないと思って焦ってしまうと思うけど、そんなことないからね。
 あとになって『あんなことをいわなければ良かった』と後悔することの方が絶対に多いから。
 パパは若い頃、ガッツリ怒ってしまうと全く眠れなくなってしまうという性質があったので、怒ったときはすぐその場で問題を解決しようとしていた。
 振り返ってみればどうでもいいことばかりだったのに、自分の気持ち良さばかりを求めて、全くお恥ずかしい。
『あと腐れがないように腹を割って全部話そう!』なんてふっかけてね。
 怒りに任せて酷いことをいってしまった、してしまったという記憶がいくつもある。
 後悔しても何もできず、それらはただ心の奥底にヘドロのように沈殿している。
 もともとは仲が良い友達だったのに、あんなにパパのことを買ってくれたときもあったのに。
 怒っている間は相手の良いところや楽しかった思い出なんかも全部見えなくなってしまうからね。
 だからとにかく、逃げること。
 何度でもいう。
 その場所、その人から離れて、気持ちが落ち着くまで怒りから逃げ回ろう。
 そして冷静になり、落ち着いて語り合うことができるようになったら、しっかりと相手に自分の気持ちを伝えよう。
 怒りから逃げるのは、泣き寝入りをするためじゃないからね。
 冷静になってから建設的な会話ができると、大きな苦難を共に乗り越えたような信頼関係が生まれたりするものだよ。
 君が怒りによって友達を失ったり、信用を失ったり、大切なものを失いませんように。

怒りから逃げる具体的な方法 3選

 では、具体的にどうやって怒りから逃げるのか。
 パパがオススメする具体的な方法を簡単に三つ、ご紹介しよう。

1 サウナ&水風呂

 これはA先生が教えてくれた方法。
 激しい怒りにかられたときには銭湯やジムなんかに出掛けて、サウナに入ってから水風呂に入る。
 これを3、4回繰り返していると、身体の気持ち良さが心にまで染みだしてきて、なんかもう、どうでもいいやって思えてくる。
 心が身体に影響をおよぼすように、身体も心に影響をおよぼすものだからね。
 これをやると全身の力が抜けて、ストレスも何もかも水の中に溶け出していくような感じがするよ。
 ――書いているだけでパパもやりたくなってきた。
 気軽に行ける環境だったら、ぜひ試してみてね。

2 ゲーム&ラジオ

 ゲームをやりながらラジオを聴こう。
 単純作業でボーッとできるゲームをやりながらラジオを聴くと、心から湧き上がってくる声も入り込む余地がなくて、何も考えることなく時間があっという間に過ぎ去っていく。
 気がつけば夜になり、朝になり、興奮状態が落ち着いている。
 ネットを見れば面白いゲームも音声もたくさんあるから、これもぜひ試してみてね。

3 ライティングキュア

 心に浮かんでくることを文字にして書きまくろう。
 ペンでノートに書いてもパソコンで書いてもなんでもいいので、とにかく自分の中に渦巻いているものを全て書き出す。
 正義も悪もなく、秩序もモラルも全て取っ払って、もう本当に全部出しちゃう。
『死ね死ね死ね死ね!』
『ぶっぶぶっぶーぅ!』
『もう何もかもイヤだ!イヤだイヤだイヤだ!』
 ――とかなんとか、読み返したときにちょっと笑っちゃうぐらい吐き出せてしまうと超スッキリするよ。
 この手法、怒りだけじゃなくて悲しみや恐怖にも使えるし、何が原因かも分からない、どうしようもないモヤモヤ感を解消するのにもとても有効だ。
 書き始めは自分に語りかけても単語しか返ってこなかったり、向き合うことも面倒なことに感じると思うけど、たっぷりと時間を取って自分に向き合ってあげて欲しい。
 自分が今何を求めているのか、今何がつらいのか、心に浮かぶよしなしごとを徒然なるままに書き連ねれば、その問題を解くヒントが現れることもあるし感情を吐き出すだけで心が満たされたような感覚を覚えることがある。
 パパもママもつらいことがあったとき、これをやって乗り越えて来たんだよ。
 パパの場合、これのおかげでママと喧嘩しないで済んだことは一度や二度じゃない。
 確実に僕ら家族の幸せにも寄与してきた手法だから、ぜひ一度君も試してみてね。