8月27日「戦争と平和」

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彼女は昨日の夜まで喉の痛みを訴えていたけど、本日栄養ドリンクを飲んで思い切り寝て風邪をねじ伏せたようだ。

質実剛健。一週間経っても酷い鼻声のままの僕とは違い、なんとも頼もしい限りである。

そんな今日、僕は仕事へ彼女は検診へ。そうしたら、まぁ赤ちゃんがスゲーデカくなっていることだし予定日超過は確実だから、木曜日から入院を始めましょうかということになった。

僕も許されるようであれば会社にお休みを貰って側についていようと思う。

さぁ、本当にもう待ったなしだ。

Nuclear Deterrence

晩ご飯はしゃぶしゃぶを食べに行った。

二人でガンガンに肉を食べ、これからの闘いに向けてパワーを補給した。

食べながら話していた。

彼女は電話でお姉さんに言われたそうだ。

「パパコロさんのことを今は大好きかも知れないけど絶対ムカつくようになるから覚悟しておいた方がいいよ」

僕は鼻で笑った。

そんなわけないじゃんかと。

旦那がムカつくのって身体が痛い、身動きが取れない、赤ちゃんの世話が辛い――あらゆるストレスが蓄積していくのに発散をする手段がない! ――そんなときに捌け口として一番手頃なヤツが選ばれているだけじゃん。授乳中はオキシトシン効果で敵対心もアップ! 恨んでると暇潰しになるし、絡んで傷つければ発散にも興奮にもなるし、ストレスを抑制する涙なんて出させてくれたら大ラッキー。旦那を憎むのなんてそんな自己防衛のための残念な心の動きって君も分かっているでしょう? そしてそれが必ず終わることも。みんな自分の辛さや怒りに素直に向き合えないから他人のせいにしてしまう。僕たちは心を見ること、嫌なものを見つめること、恩師の言葉を信じてやってきたじゃないか。きっと大丈夫さ。君は感情に飲まれる自分を客観視出来ないような霊性の低い人たちとは違う。喧嘩のしようがないじゃん。

――そんな言葉で呪縛をかけようと僕が熱心に語りまくっても、彼女は「ホルモンバランスのせいだから仕方がないよね」とただ繰り返すだけだった。

……あぁ、彼女はやる気だ。このチャンスにやり切って、一気に家庭内での自分の地位を揺るぎないものにする気だ。

実際、そういう人も沢山いるんだろうね。このチャンスに帝政を敷こうとする人、相手がどこまで我慢するか、キレないかを測っておこうとする人。わざとキレさせて武器を作ろうとする人。

そんなことしてっから信頼関係なんて死ぬまで構築出来ないんだよ。

ブスどもが。

僕らは絶対に大丈夫。

彼女は外見も心も美しいし。

ありのままをここに書くし。

恩師にも見せるし。

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