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今回ご紹介する作品はこちら!
「小畑しゅんじ」先生の「小畑しゅんじ短編集 エスパー大旋風〔完全版〕+暗黒の野獣+どくろの門」です。
Amazonさん紹介文
運動音痴で野菜嫌いの少年 麻丘俊は生まれてはじめてピーマンを食べた事で超能力に覚醒し、超人的な能力を持つ分身を発現させる。俊が困ったときに現われるもう一人の自分は不良たちを叩きのめし、野球部で活躍し、女の子たちを魅了する学園のヒーローになる。
俊は何でもできるもう一人の自分にいつしか頼りきりになっていくが……。表題作『エスパー大旋風』ほかプロレスに青春を賭け、強敵を撃破しようとする『暗黒の野獣』、失われた首狩りの風習の陰にある父親の足跡を追う兄妹を描いた『どくろの門』計三本の短編を初単行本化した。30年以上の時を経て復活した小畑ワールドを楽しんでもらいたい!
超展開と硬派な絵のギャップが熱い!
<以下、ネタバレを含みます>
紹介文、神ってますよね。
「運動音痴で野菜嫌いの少年 麻丘俊は生まれてはじめてピーマンを食べた事で超能力に覚醒し、超人的な能力を持つ分身を発現させる。」
……ピーマンを食べた事で超能力に覚醒!?
それがマジだから面白い。
現れた俊の分身は、俊に語りかけます。
分身「驚かせて悪い、僕は君さ。君の脳さ」
俊「な……なんだって、からかうのはよせ……!!」
分身「いまきみの脳が分離したんだよ。君の念力の強さでね」
俊「馬鹿な!」
分身「君は自分で分からなかっただろうが、一種の超能力者なんだよ。だから僕は君の脳が分離した一つの個体にすぎない」
俊「し…しかし、もしそれが本当だとしても、どうして今頃出てきたんだい?」
分身「はは…、それは簡単さ。君は今朝初めてピーマンを食べたろう? そのピーマンが大脳を刺激したのさ。これから君の出来ないことを全て僕……つまり、君の超能力がやる! もちろん他人にはわからないはずだよ。僕はいつでも君の脳にかえることができるし……肉眼では見えないほど小さくなることも出来る……」
分身は更に言葉を続けます。
「頭のちょうど中心に百会という急所がある。つまり大脳を刺激するところだが、そこの毛穴から僕は出入りするんだ」
「ただし僕にも欠点がある。僕は水に弱い、溶けてしまうんだ」
「それから僕を呼び出すときは目を閉じてアピアとコールしてくれればいい」
……最高ですよね?
しかも、物語の序盤には不自然なほどの「野菜推し」があったのに、その後野菜が出てくる描写は一切なし!
さらに、大恥をかくと分かっていても立ち向かう野球大会のシーンでは、「人生には負け戦であったとしてもやらなくてはならない瞬間がある」と熱いメッセージを投げ掛けてくれます。
これはもしかして、「子供向けなのだから教訓の要素を絶対に入れろ!」と編集者から強く言われたのでしょうか? それとも、心の叫びでしょうか? そんな風に邪推してしまうほど、話に一貫性を感じられません。
だけど不思議な説得力があるのは、やはり「絵」がシッカリとしているからでしょうね。
仰天の設定でピーマンの素晴らしさも、立ち向かう尊さも教えてくださる教訓に満ちた漫画でした。
また、同時収録の短編「暗黒の野獣」にはプロレスファンに自慢できる新しいトリビアがありました。
なんとこの漫画、1970年の作品なのに「アクロバットブリーカー」という名前で「リバースフランケンシュタイナー」が登場しているんです!
正調式をスコットスタイナーがお披露目したのが1992年。
その22年前に描かれているなんて、凄まじい歴史の先取りですよね!
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