【一般コミック】現界と幽界の狭間に立っていた天才。華倫変先生の「カリクラ――華倫変倶楽部」! 感想 レビュー

2017年8月19日

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華倫変先生 - カリクラ ― 華倫変倶楽部
華倫変先生 – カリクラ ― 華倫変倶楽部

 

今回ご紹介するのは、「華倫変」先生の「カリクラ ― 華倫変倶楽部」です。

※上下巻ありますが、どちらもKindle版はありません。

虚無感と危うさの中に

<以下ネタバレを含みます>

このおどろおどろしい表紙は、上巻のトリに収録されている「ちばてつや賞」大賞を受賞した「ピンクの液体」の扉絵です。

「華倫変 ピンクの液体」で検索をかけると「傑作だ」と讃える声がいくつも見られるように、心を強く惹き付けられる、カルト的な求心力に満ちた作品です。

華倫変先生は28歳にして急性心不全によって亡くなられました。自殺を「急性心不全」と公表することはよくあることで、おそらく華倫変先生も自殺だったのでしょう。

実際のところはわかりませんがそうに決まっているし、そうでなくてはいけません。

そんな風に思ってしまうほど、華倫変先生の作品には現界と幽界の狭間ギリギリにあるような、そこはかとない虚無感と危うさがありました。

華倫変先生の絵って決して上手くも、可愛くもありません。だけど、それが絶妙な「無垢さ」という刃となって僕らの心を深く抉り、傷付けてくるんです。

「やっぱり私、死んじゃうのかな?」
「さあな……」
「私死んだら、嫌?」
「……そうだな、困るっていうのもあるけど、嫌だなって思うよ。ものすごく嫌だと思う」
「そう、よかった。『やったー』って感じだね」

ピンクの液体、ラストシーンの会話です。

もう、極地ですよね。

その台詞運びも本当にたまらない。

このまま古本がプレミア化していくだけというのも悲しいので、華倫変先生の作品、電子書籍化されないかしら。

作家の方が命を削って描いてくれた作品を生かし続けることが出来るのも、電子書籍の魅力の一つだと思うんですよね。

華倫変先生 - カリクラ ― 華倫変倶楽部
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