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Kindleストアでは手塚治虫先生の作品が数多く販売されています。
火の鳥、ブラック・ジャック、鉄腕アトム、ブッダ、三つ目が通る……歴史に残る名作の数々がいつでもどこでも読めるようになっているなんて、本当に凄い時代になったものだと思います。
しかし、紙で持っているものを電子書籍で買い直すというのは大富豪でもない限りなかなかに贅沢な行為でありまして、今でも僕の書棚には沢山の手塚先生の作品が並んでおります。
持っていない本は簡単にダウンロードできるんですけどね。
三つ目がとおるは全巻Kindleストアで買いました。今読み返すと謎をそのままにガンガン進む話がとても現代的に感じます。
さて、今回ご紹介するのは原作「宮崎克」先生、漫画「吉本浩二」先生の「ブラック・ジャック創作秘話 ~ 手塚治虫の仕事場から~」です。
Amazonさん紹介文
“漫画家は医者を創った。医者は漫画家を救った。”漫画史にきらめく不朽の名作「ブラック・ジャック」!! 漫画家の神様・手塚治虫先生の創作の現場を関係者の証言で再現するマンガ・ノンフィクション!!
人間、手塚治虫!
タイトルだけを見ると「ブラック・ジャック」という一つの作品に焦点を当てた解説本のような印象を持たれるかと思いますが、そうではありません。
殺人的なスケジュールをこなしていた当時の手塚先生と、それに振り回され、共に闘ってきた編集者やスタッフたちの熱い人間模様が中心となって描かれています。
手塚先生って「漫画の神様」と言われているし、ベレー帽を被ってしれっと優雅に面白い作品を大量生産した天才……そんな印象がありませんか?
僕にはそんな優等生的というか清潔感のあるイメージがあったのですが、この本に出てくる手塚先生は全く違います。
デフォルメされているとのことですが、どこにでもいるような頭の薄い中年太りしたおっさんとして描かれているのです。
是非ご覧いただきたいのは、第一話の自室にこもって漫画を描いているシーン。
エアコンのきかない室内で汗だくになりながら、鬼のような形相で原稿に顔を近付けてペンを走らせています。
無精ヒゲと突き出たお腹。汗がしたたるランニングからは脇毛が、まくりあげたズボンの裾からはすね毛がのぞいています。
薄汚い部屋の中、さながら身を粉にして働く肉体労働者のような泥臭さで描かれていますが、それが無性にカッコ良いんです。
凄い絵の力。
ここでもう一気に引き込まれて全巻買って読んだのですが、最後まで滅茶苦茶面白かったです。
ブラックジャック発表当時、手塚先生は45歳。数年間ヒットに恵まれず、自らの会社が倒産、借金を抱えていました。
そこから再起する姿にも、その年齢で一日の休みもなく昼夜なく働き続ける姿にも、凄く力がもらえます。
今頑張っている方、これから頑張りたい方にオススメです。気合いが入ります!